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昨年制作した幼稚園にはめた作品です。
一昨年に計画段階から、打合せの末に実現した作品です。
設計事務所からの 紹介で、最初はガラスブロックが入る予定の場所でした。

幼稚園の増築で、コスモスの群生地と大きなオリーブの木をきり、建物が建ちました。
「絵画を画くように、ステンドグラスも自由に表現できますよ。 」と、私からの意見を聞き入れて頂き、それではと、園長先生が、お得意の絵画で、色とりどりのコスモスやオリーブと、蝶々やテントウムシ、蜂やトンボなどの昆虫が楽しそうに青空のもと、飛び交う優しく楽しそうな原画のイメージを頂きました。

とても良い題材だと思いましたが、A3ほどの画用紙に、ほぼ原寸大に画かれた 作品を、そのまま高さ2メーター幅1.5メーターに、拡大して、制作するとお化けコスモスとジェラシックパークに出てくるような巨大な昆虫たちでは、遠くて高い建物の上にはまっているものならまだしも、子供たちの手で触れられる通路の広縁に有るため、恐ろしい作品になってはいけないし、園長先生のイメージをそのまま伝えたくて、ステンドグラスの原寸でのデザインに、大変苦労しました。

一つにはコスモスの群生を原寸で作るために花びらを一枚ずつ表現する必要があります。
細かさだけの問題でもありません。ステンドグラスの技法の中で、ランプシェードなどを作る技法と、大きなウィンドーパネルを作る技法では、強度の問題があるため組み上げ方が、色ガラス以外の素材から違います 。ランプの方は、カッパ―ホイール(銅箔テープ)を、一枚づつガラスの断面をつつむように貼り、半田でつなぎますが、教会の窓などにはまっているパネルは断面がH型になっている鉛線で組みこみながらパズルのように合わせていきます。
透明感のあるフランス サンゴーバン社のアンティークガラスを使い、東側にはまっている透過率の良いステンドグラスは、午前中の光を透し、コスモス畑が廊下にも映り込み倍の広さのお花畑が浮かび上がります。トンボや蜂の羽はダイクロガラスを使い、反射光では、金色に輝き、透過光では、見る角度により、虹色に変化します。
今回もパネルですが、コスモスの花びらの周囲に鉛を巻いていくと、鎖でつながれた花のようで、コスモスの可憐さも花びらの繊細さも表現できません。

そこで、強度を出すための鉛の線をコスモスのジクにみたて、鉛線で囲まれた部分を一枚のパーツの様に、ランプの技法と絵付けの技法を複合させて、制作しました。